うなぎの旬は冬である

毎年、7月の土用の丑の日にうなぎを食べるのは、そもそも夏に売れないうなぎをどうにかして売りたいということで、江戸時代のうなぎ屋が平賀源内に相談したところ「本日 土用丑の日」という看板を出せということで出したら大繁盛というのが通説。日本で最初のキャッチコピーとも言われる(今見ても秀逸ですよね)。

逆に言えば、売れない夏のうなぎは不味いってことなんですよ。そう、多くの人が勘違いしているけど、魚屋の息子から言わせても

天然>養殖 は必ずしも正しくない

ということなんです。

天然のうなぎは、そりゃ良いときに食べればすごい美味しいんだろうけど、季節を外すと養殖モノに大きく劣るんです。一方、養殖モノは品質が安定しているから、いつ食べても概ね一定の味。

ウナギのいる川 いない川

 

これは他の魚でも同じで、鯛なんかは通年通して美味しいので、かなりの部分で天然>養殖が成り立つんだけど、それでも味がより安定する養殖を好まれる板前さんは多いです。夏のハマチなんかも天然だと身が痩せるので養殖の方が断然美味しい。最近は養殖技術が昔と比べると格段に上がってるんです。

 

で、某うなぎ店

冒頭の写真は都内の某有名店。あまり書きすぎるとバレるから黙ってるけど、うなぎ好きが聞けば、誰もがああなるほどと言うほどの有名店。コロナだからか普段は待たないと入れないが、今回はすっと入れた。季節柄もあるのかもしれない。着席すると仲居さん(この店は和服を着た女性が対応してくれるのであえて仲居さんと呼ぶ)が「今日はおまかせで天然も入ってますよ」と。そんなの注文するわけがない。高い上に不味いと知ってる。そこで中ぐらいのランクの、普通の鰻重を注文した。お値段は4000円ほど。まあ高いがこの店なら普通だ。

で仲居さんが鰻重を持ってきた時に「今日は天然うなぎをご用意しました~ 岡山県産のうなぎです」。とのこと。余計なことすんじゃねーーー!!!!と思いながらも大人だからね。「ラ、ラッキー・・・」と言っておいた。

 

食べる。まず身が薄い。いつもならふわふわの柔らかいうなぎがご賞味出来るのだが、ペラペラでイワシの開きみたい。脂も乗ってないし身はカスカスだし。早い話が不味いのだ。何度も言うが一般的な基準で言えば本当に名店である。それでもこんなもの出すんだなぁと。

 

件の仲居さんは天然出してやったぞ的なドヤ顔である。

「岡山の天然うなぎ、いかがでしたか?」

なんて聞かれたから、バシッとこう言ってやった

 

「お、美味しかったですよ・・・」

 

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